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【寄稿】理なき感傷だけでは「7つの魂」は浮かばれないー最終夜ー [事件・事故]

今夜でいちおう区切りさせていただくが、たぶん長文となるので、UPは深夜となります。

なんだ、やればできるじゃないか。毎日新聞。
社説:東京・秋葉原殺傷:発生1週間 惨劇は、我々に何を問いかけるのか

~~~~~~~~(引用開始
 ◇孤独と自虐、暴発

 東京・秋葉原の17人殺傷事件は15日で、発生から1週間となった。日曜日の歩行者天国。誰もが明日があることを信じていた。わが子を、父を、友を帰してほしい--。残された人たちの悲しみは癒えることはない。一方で、加藤智大容疑者(25)は犯行直前まで、携帯電話サイトの掲示板に言葉を書き連ねた。孤独と絶望。「負のスパイラル」の先にあった暴発をなぜ防げなかったのか。今を生きる人々が背負うことになった重い課題だ。
 ◇加藤容疑者「あとは覚えていない」

 「車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら」

 携帯電話の掲示板サイトにそう書き込んだ後、加藤智大容疑者は8日午前7時前、静岡県裾野市の自宅を出た。

 黒いシャツにベージュのジャケット姿。雨の中、沼津駅まで電車で移動し、レンタカー会社営業所でトラックを借りる。裾野インターチェンジ(IC)から東名高速道路に乗り、横浜青葉ICで降りて、国道246号で「現場」を目指した。

 着いたのは午前11時45分ごろ。雨はやんでいた。歩行者天国は始まっていない。中央通り沿いの大型量販店前にトラックを止め、トイレを借りるなどして時間をつぶした。

 午後0時10分。「時間です」と最後の書き込みをした。携帯のアドレス帳や履歴はすべて消去。「友人」らが警察に事情を聴かれるのを防ぐための配慮だったという。

 決行まで20分。「実行をためらっていた」という加藤容疑者は、周辺をぐるぐるとまわった。蔵前橋通りや本郷通りを通過するトラックが、防犯ビデオに映っていた。

 時計の針が午後0時半を指す。赤信号を無視して歩行者天国の交差点に突っ込んだ。5人をはね、70メートル先でトラックを降り、ダガーナイフを片手に通行人を追いかけた。はねられた男性を介抱していた警察官や即死状態で倒れていた男性まで刺して回った。

 交差点を左回りで南に移動する加藤容疑者。追いかけてきた警察官と対峙(たいじ)したが、拳銃を向けられるとナイフを置き、午後0時35分に殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。

 「車から降りて最初に数人を刺した。その中にお巡りさんがいることは覚えている。あとは覚えていない」

 調べには「ウソをつくつもりはない」と素直に応じ、自分の境遇の不満を捜査員に訴えているという。生い立ちの話になると涙ぐむことも。「容疑者が初めて心を開いて話を聞いてもらったのは、捜査員だったのかもしれない」と捜査幹部は話す。【川上晃弘、佐々木洋、古関俊樹】
 ◇空洞だから書き込む--教育評論家・宮川俊彦氏

 内面が空洞化している、という印象を受けた。掲示板に繰り返し書き込まれた劣等感の表明は▽4年制大学ではなく短期大学を出た▽正社員ではなく派遣社員である▽交際する異性がいない--などだ。世間的な価値観を絶対化し、それをはね返す自分がない。

 ある時期まで優等生だったというが、人間としての成長に必要な葛藤(かっとう)を避け、お仕着せの「傾向と対策」で点を取ることに終始してきたのだろう。

 空洞化しているからこそ、過剰なまでに書き込む。さもないと空っぽな自分がつぶれてしまう、と感じているのではないか。その書き込みの内容は「みんな死ね」や「悪いのは全部俺(おれ)」と空疎で、思索力に乏しい。

 バブル崩壊と不況の時代に少年期を過ごした世代だ。特に地方の子供は、地域の衰弱、崩壊を肌身に感じて育っている。「勉強していい大学に入り、おとなしく就職しろ」という圧力が強まり、「空っぽな優等生」が増えているのではないか。
 ◇「不幸」に異様な固執--精神科医・名越康文氏

 容疑者が掲示板に書き連ねている孤独感は、さまざまな意味で同年代には理解しやすいものだろう。だが、自分は不幸で、原因は不細工だからという考えに固執するエネルギーは尋常ではない。

 掲示板ではいろんな人が容疑者にかかわろうとしているが、容疑者自身がそれを断ち切っている。一つの山場が服の話だ。<どうしたらファッションに興味を持てるようになりますか?>と自ら話題を振りながら、アドバイスされると牙をむいて否定する。

 <友達>や<彼女>が欲しいというが、それは具体的な誰かというよりも、どんな悪態をつこうと自分を抱きしめてくれる「理想の親」のような存在を渇望している雰囲気がある。しかし、いくら求めても<不細工>だから永遠に手に入らないのが自分の宿命なのだと思い込み<悪いのは私>と繰り返す。

 普遍的な孤独感とはいえ、凶行との隔たりは大きい。そこを埋めるものが何なのかは、人生の始まりまでさかのぼらなければ見えてこないだろう。
 ◇懸命の救助活動--通行人も、医師も、災害派遣チームも

 事件現場に居合わせた医師や通行人らも懸命の救助活動を繰り広げた。消防の救助隊に加え、中越地震などでも活躍した東京都災害派遣医療チーム「東京DMAT」も出動した。

 加藤容疑者のトラックが突っ込んだ直後の交差点。点々と人が倒れている。凍り付く周囲の通行人を見て、中野区の無職男性(34)は「これじゃ駄目だ」と駆け出した。血を流す若い男性を抱き上げ、気道を確保。脈拍が弱まったため、電器店から持ち出したAED(自動体外式除細動器)も使った。

 「ドクターいませんか」。通行人らの呼びかけに徳島市の産婦人科医、西條良香さん(39)が反応した。研究会出席のために上京。「大丈夫やから」と声をかけながら、負傷者を診て回ったが、人数が多すぎて十分に治療するだけの時間はない。「できる限りのことはやったが……」。複雑な思いが残った。

 DMATとして約20回の出動経験がある日本医科大付属病院の医師、荒木尚さん(40)も、現場の凄惨(せいさん)さに息をのんだ。緊急性の高い患者の搬送を急ぐよう指示。7人の重傷者の命を救った。中には生命反応のない人も。「断腸の思い」で搬送を後回しにしたが、気道確保のために挿管などの処置をした。

 荒木さんは「DMATが到着した時には、だいたいの救命措置は終わっていた。消防隊員や勇敢な市民のおかげだ」と語った。【前谷宏】
 ◇働き盛り、妻子残し--小岩和弘さん(47)

 13日午後6時から、自宅近くの東京都板橋区舟渡の斎場で営まれた小岩和弘さん(47)の通夜。祭壇の中央に掲げられた遺影のそばには、生前思いを傾けた品々が置かれていた。ビートルズのCDとジョン・レノンの肖像、戦車のプラモデル、オートバイ用の赤いヘルメット、クリーニング済みのワイシャツ。「男気のあるやつだったんです」。数十年来の友人という男性(46)は短くつぶやいた。

 妻と息子の3人暮らしで、子煩悩な父親だった。荒川の河川敷や自宅前の空き地で、自転車の練習に励む小学生の息子の背中を押したり、キャッチボールをしたりする姿は「仲のいい親子」として近所の住民の記憶に残っている。

 硬い表情で口を閉ざしたまま通夜会場を足早に後にする中で、50代くらいの知人男性は「働き盛りですからね。遺族にかける言葉もなかった」。祭壇脇に置かれたワイシャツに袖を通す日は、もう来ない。【林哲平、前谷宏、長野宏美】
 ◇調理の世界で地道に--松井満さん(33)

 神奈川県厚木市の調理師、松井満さん(33)は、夢をかなえて好きな料理の世界に進んだ。パソコン好きで、秋葉原はよく訪れていたという。

 地元の小、中学から、90年4月に厚木調理師学校に進み、調理師免許を取得。91年4月、食物や料理を詳しく学びたいと厚木高等専修学校に編入した。両校の計3年間は無遅刻無欠席。高等専修学校の担任、小島繁雄さん(50)は「まじめで、努力家。基礎をしっかり身に着けようと授業に臨み、調理・飲食の世界でやっていける生徒だったのに……」と悔やむ。

 栄養士資格も得るため、横浜栄養専門学校にも通った。日本料理店を経て昨年4月、横浜市の給食会社に就職。厚木市の神奈川リハビリテーション病院の厨房(ちゅうぼう)で患者向けの給食を手がけていた。

 11日に厚木市内の斎場で営まれた葬儀は家族葬だったが、友人知人ら約40人が訪れた。出棺を見送った高等専修学校時代の同級生で綾瀬市深谷の調理師、平野正也さん(34)は「まじめで『だめなものはだめ』とはっきり言う性格。学校帰りのカラオケやボウリングが昨日のことのよう。なぜこんなことをするのか。犯人が許せない」と言葉を詰まらせた。【田中義宏】

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 ◆加藤容疑者が書き込んだとみられる内容◆

 (携帯電話サイトから。原文の一部を省略。※は容疑者以外)

 ■5月20日------------

10:55※二交代の工場勤務が底辺な仕事とは思えないけどな

16:14 人生に楽しいことなんて一つもありませんよ。どうせネットですし、はっきり書けばいいじゃないですか。「主(加藤容疑者、以下同)の存在が不愉快。死ね」と。

 ■5月29日------------

 4:34※ぶっちゃけアタシ前は主大嫌いだったんだ。主は何に対しても否定的な感じで。でも毎日このスレを見るようになったら主みたいな人もありだなと思うようになった。冗談抜きで友達になりたいと思うようになったよ

(?)   それは嬉しいですけれど、私と友達になってもあなたにとっては何のメリットもないですよ

15:21 彼女が居れば、何事も耐え忍び死ぬ気で頑張りますよ

 ■5月30日------------

 2:29※主こんばんわ。アタシ中卒で、元カレもヤンか職人だった。でも今は大卒の超真面目なリーマンと付き合ってる。人生どう転ぶかわからないね

 4:55 こんばんわ。やっぱり女性は学歴を気にするのですね。三流の短大卒の私にはチャンスはなさそうです。自分だけが取り残されています。そんな私の気持ちは誰にもわからないでしょう

 5:17※今の彼氏は学歴で選んだわけじゃないよ。たまたま大卒だっただけ。てか主はどんな風になりたいの?

 5:35 後輩に服の相談をした時に「何系を目指すのか」と訊かれて困りました。どうしたらファッションに興味を持てるようになりますか?

 5:43※異性にモテたいと思ったらファッションに興味を持てるんじゃないかな?

 5:54 服や靴に興味がない人は恋愛する資格がないのですね。服、服、服、服、みんな服です。どうして服にこだわるのでしょう。イライラします

 6:03※否定はしてないよ。主に伝えるのは難しいなぁ…主にも「異性から良く見られたい」って気持ち少しはあるでしょ?

 6:11 あります

 6:24※そーゆー気持ちあるよね。皆はそこから服に気を遣うようになるんだよ

 6:26 理解できません。意味がわかりません。イライラします。みんな殺してしまいたいです。よくわかりません。服ってなんなんですか

 6:30※服に気をつかっただけで彼女が出来るわけないじゃん

15:30 食欲が無くてもお腹は空くのですね。イライラがつのるばかりです。前直がまたサボったようです。素晴らしい残業になりそうです

15:41※不細工でも苛々するんだな。「素晴らしい」って言葉を使えるんだ

18:08 何か壊れました。私を殺したのはあなたです。

 ■5月31日------------

 5:11 みんな死んでしまえ。上辺だけの友達。言葉だけの友達。実際は他人。みんな敵。友達が欲しい。本当の友達が欲しい

 5:32※皆を踏みにじったのはお前。友達できるはずがない。しねよ

 5:50 他人の不幸は蜜の味。みんな死ねばいいのに。警察に電話したら、緊急性が無いのに110使うなって言われた。緊急なんだけど

 6:00※いったい何の用でかけた?

 6:01 ネットいじめ。みんなが俺を陥れようとしている

 8:05 とりあえず予定通り上野に行ってみる。服屋にも行ってみる。予算は10万円用意した。ここまで気が進まない外出は初めて。シラフで行くのは怖いので飲んでみました。

13:20 結局服買わなかった。少し足を伸ばして、秋葉原に寄った。若本が語る雑学、とかいうCDを買った。ぶるぁぁぁだ。秋葉原もカップルだらけだった。意味わからん

 ■6月1日------------

 5:00 はいはい日曜日。M8くらいの地震でも起きればいいのに

 7:06 殺人を合法にすればいいのに

 ■6月3日------------

10:58 俺もみんなに馬鹿にされてるから車でひけばいいのか

18:48 部屋が広すぎるんだよ。一人なら3畳でいいよ。寂しさが際立つだけ。電気くらいつけよう。部屋は明るい。気持ちは暗い。携帯ごしでも友達がいるはずだったのに。みんな俺を避けてる

 ■6月4日------------

 0:51 なんか病気なのかしら。イライラして眠れやしない。一人で寝る寂しさはお前らにはわからないだろうな。ものすごい不安とか。彼女いる奴にも彼女いない時期があったはずなのに、みんな忘れちゃってる。勝ち組はみんな死んでしまえ。そしたら、日本には俺しか残らないか。あはは。俺がなにか事件を起こしたら、みんな「まさかあいつが」って言うんだろ。「いつかやると思ってた」。そんなコメントする奴がいたら、そいつは理解者だったかもしれない

 5:32 起きた。目覚めは最悪。人生にはモテ期が3度あるらしいけど、俺のモテ期は小4、小5、小6だったみたいだ。考えてみりゃ納得だよな。親が書いた作文で賞を取り、親が書いた絵で賞を取り、親に無理やり勉強させられてたから勉強は完璧。親が周りに自分の息子を自慢したいから、完璧に仕上げたわけだ。中学生になった頃には親の力が足りなくなって捨てられた。小学校の「貯金」だけでトップを取り続けた。県内トップの進学校に入ってあとはずっとビリ。好きな服を着たかったのに、親の許可がないと着れなかった。服なんてどうでもいい。中学以降は制服だったから良かった

15:38 スポーツカーに女乗せてる奴が居た。事故ればいいのに。汚いものを見るような目で見るな。イライラする。どうしよう。土浦の何人か刺した奴を思い出した

毎日新聞 2008年6月15日 東京朝刊

 ◇帰らぬ肉親・仲間
 ◇交差点、途切れた会話--川口隆裕さん(19)

 東京情報大2年の川口隆裕さん(19)=千葉県流山市=は、一緒に亡くなった東京電機大2年の藤野和倫さん(19)ら友人3人と8日朝、東京・新宿のミニシアターに出掛けた。インターネットのウェブ小説が原作のアニメ映画。午前10時20分ごろに終わり、秋葉原へ向かった。

 コンピューターのシステム開発が夢だった川口さんにとって「アキバ」は情報収集の場所。インターネット、マンガ、ゲームと、川口さんの趣味の世界もあふれていた。

 午後0時半、4人は事件現場となった交差点に差し掛かる。川口さんは友人の1人と格闘ゲームの話題で盛り上がっていた。

 「おれの方が強いよ」「何言ってんだよ。おれだよ」「だったら勝負しようぜ」。その時、猛スピードのトラックが友人をかすめ、振り返ると川口さんの姿はなかった。

 友人は、ネットの会員制サイトにこう記した。

 「ナイフを持った男? 通り魔? 直後にひかれた友達に駆け寄った …立ち尽くした 素人でも分かる、重体」

 この後、多数の通行人が周囲を取り巻き、携帯電話のカメラを向ける。「やめてください!」という叫びは無視された。

 「息子はどんなに痛かったろうか」。父の会社員、健さん(53)はこう語った。【斎藤有香】
 ◇祖母「いい子だったの」--藤野和倫さん(19)

 埼玉県熊谷市の東京電機大2年、藤野和倫さん(19)は芯が強く、優しい青年だった。周囲によると、小学校時代は兄、妹と3人で柔道の道場に通う元気いっぱいな子供で、自宅近くの商店主は「毎日のように兄弟で仲良く、おつかいに来てくれた」。

 川越市内の中高一貫の全寮制校に進学。同級生の男性(19)は「平日は放課後もなかなか外に遊びに出られないなど、厳しい学校生活だった。その6年間を頑張ってきた大切な仲間なのに」と悔しがる。事件があった8日、同級生らが電話やメールで連絡を取り合い、藤野さんについて語り合った。「付き合いがないと思っていたやつでも泣きながら悲しんでいた。あいつの存在の大きさを感じた」。「来年の成人式に合わせて同窓会をする予定だったのに。もう会えないなんて……」と残念でならない。

 情報処理の技術を学んで公認会計士をしている祖父を手伝うため、東京電機大に進学したという。片道2時間半かけて千葉県まで通学。明るい性格で、友人からムードメーカーとして愛されていた。

 祖母の岡田ユリ子さんは、2人きりで回転ずしに連れていってくれた3月のことが忘れられない。「『おばあちゃん、回っているのを食べるんじゃなくて、ちゃんと注文するんだよ』と世話を焼いてくれた。本当に優しかった。いい子だった。ただただ、それだけなの」【岸本悠、町田結子、山崎征克】
 ◇21年、音楽とともに 「あの笑顔、もう見られない」--武藤舞さん(21)

 昨年9月2日。東京都北区の「北とぴあ」であったアマチュアバンドコンテスト。壇上に司会役の東京芸大音楽学部4年、武藤舞さん(21)=同区浮間=がいた。

 「私たちは音楽の素晴らしさを広めるために頑張っています。賛同する方がいたら、ボランティアに加わってください」。緊張気味の声で呼びかけると、会場に温かな拍手が広がった。初めてのボランティアだった。

 約9カ月後の8日午後0時半。武藤さんは朝から、アルバイトとして派遣されていた家電量販店の店頭で凶刃に倒れた。音楽プロデューサーが夢だった。大学では音響や録音を学び、裏方のコンサートスタッフの仕事もした。「もう、あの笑顔を見ることができない」。周囲に共通する思いだ。

 21年の短い人生のそばにはいつも音楽があった。ピアノやオルガンの才能に恵まれ、中学時代は吹奏楽部の演奏会に助っ人として呼ばれた。都立日比谷高校時代のオーケストラ部では、バイオリンの腕も磨き、作曲や編曲もこなした。

 「プロデューサーを目指すならイベントの勉強もしたい」。その思いで参加したのが、バンドコンテストのスタッフのボランティアだった。

 ボランティア仲間の進藤隆太さん(28)=さいたま市=は「明るく、冗談が好きだった。音楽の機材やイベントのことを熱心に聞いていた」と話す。

      ◇

 12日、東京・上野公園の寛永寺で営まれた舞さんの告別式。学友5人による弦楽器の生演奏が絶えることなく流れた。バッハやモーツァルトの小品やビートルズ、日本のポップスなど舞さんの好きな曲ばかりだった。

 喪主のあいさつで、父弘和さんは「大好きな音楽で舞を送り出したかった」と述べ「皆さんの悲しみが癒えることを祈っています」と涙をこらえるように話した。

 高校時代、同じオーケストラ部に所属していた女性(21)は「天国でも音楽を楽しんでほしい」と話した。【杉本修作】
 ◇「世界の宮本」伝説も--宮本直樹さん(31)

 埼玉県蕨市の会社員、宮本直樹さん(31)は、対戦型カードゲーム愛好家の間で「世界の宮本」と呼ばれるほどの伝説的プレーヤーだった。20代半ばでソフト開発会社を起業した実業家でもあり、秋葉原を毎日のように訪れていた。

 8日は、母親に見送られて秋葉原へ。事件を知った母親は、心配してメールを送ったが、直樹さんから返事はなかった。

 11日の通夜には大手ゲームメーカーの社員が参列し「世界一の直樹」などと寄せ書きした色紙を遺族に届けた。父惇彦さん(60)は「皆さんに可愛がられていたんだと思った。家族は直樹の顔を見ては泣いている。私も『ただいま』といつか戻って来ると思いたい」と語った。遺体と対面したときには「何でこんな事件に巡り合ったんだ。おれより早く逝くんじゃないよ」と声をかけたという。

 1人暮らしだが、週に一度は同県川口市の実家に顔を出し、最近、母親を九州旅行に連れて行った。

 事件現場近くの雑居ビル4階に、宮本さんが通い詰めたカード店がある。趣味が高じてカード店を出し、盗難に遭ったこともあり閉店したが、再度挑戦するつもりだった。経営者の土肥茂さん(44)は「向上心がある努力家だった」と振り返った。【弘田恭子、飼手勇介、内橋寿明】
 ◇奪われた第二の人生--中村勝彦さん(74)

 「ようやく好きなことができるよ」。中村勝彦さん(74)=東京都杉並区=は今春、半世紀近い歯科医人生にピリオドを打ったばかりだった。知人らに第二の人生に踏み出す期待を語り、秋葉原に出掛けたのも、趣味のカメラなどを見るためだったという。

 中村さんは、日本歯科大を卒業後、府中市内で開業。矯正を専門とする評判の名医だった。他の歯科医の手に負えない歯も、中村さんに診てもらうと治ったという患者は多く、なかなか引退に踏み切れなかったようだ。

 後進の育成にも熱心で、医院で若手の面倒を見る一方、日大歯学部でも約20年講師を務めた。中村さんをよく知る納村晋吉・日大名誉教授は「勉強熱心の硬骨漢。本をたくさん読み、英語も堪能で、話がおもしろいから学生らの人気もあった」と振り返る。

 医師会の記念誌に「カラオケには二度行きましたが、小生には合わないとさとりました」と、まじめさと愛嬌(あいきょう)が伝わる文をつづり、患者や近所の人たちからも「いつもにこやかな優しいおじいちゃん」と親しまれていた。葬儀には、密葬にもかかわらず100人近くが駆け付けた。

 大学の同級生で歯科医の妻(74)も今春、夫とともに引退し、夫婦の時間をゆっくり楽しむはずだった。あの日の朝。中村さんは「昼ご飯を外で済ませてくるからね」と言い残し、長男と2人で上機嫌で出掛けた。妻は「主人はまだやりたいことがたくさんあったと思います。いつも『一緒に行かないか』と誘われますのに、きょうに限っては……」と声を詰まらせた。【大場弘行】

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 ■6月5日------------

 6:04 日に日に人が減ってる気がする。大幅なリストラだし、当たり前か。作業場行ったらツナギが無かった。辞めろってか、わかったよ。鮮やかに帰宅、やってらんね。お前らが首切っておいて、人が足りないから来いだと? おかしいだろ。やっぱり時期的に限界か。お前らは明日がきてほしいか? 来てほしいだろ。幸せだもんな。その場しのぎで笑って、鏡の前で泣いて。当たり前だろ。隠してるから気づかれないんだよ。ツナギ発見したってメールきた。隠してたんだろが。見事にはめられた

 8:48 スローイングナイフを通販してみる。殺人ドールですよ。実際投げたって刺さらないだろうけど。ふらふらするぞ。明日福井に行ってくる

11:51 犯罪者予備軍って、日本にはたくさん居る気がする。ちょっとしたきっかけで犯罪者になったり、犯罪を思いとどまったり。やっぱり人って大事だと思う。人と関わりすぎると怨恨で殺すし、孤独だと無差別に殺すし、難しいね。「誰でもよかった」。なんかわかる気がする

12:32 東京の道路って面倒くさい。トラックで行くのは無謀かもしれん。在庫ないのか、残念。片道4時間か

 ■6月6日------------

 1:24 一花くらい咲かせてみたいものだね。不細工は芽を出すことすらかなわないけど。あ、住所不定無職になったのか。ますます絶望的だ

 2:28 これでは不細工に勝ち目が無い。幸せになりたかった。整形しよっかな。キャンプ、釣り、狩猟、ダイビング。これらの目的の時はナイフを携帯しても処罰されないんだってさ

 2:42 もうどうでもいい。疲れた。彼女ができない奴の気持ちは、お前らにはわからない。どうせ俺が悪いんだろうけど、やりたいこと…殺人、夢…ワイドショー独占。それでも、人が足りないから来いと電話がくる。俺が必要だから、じゃなくて、人が足りないから。誰が行くかよ

 9:33 こんなメールが来た。「ネガティブな言葉は使わない方がいいと思うょ。難しいかもしれないけど頑張ってね~(^_-)-☆」。いちいちごもっともなんだけど、それに疲れたの。こっちまで電車で来たのは、トヨタの期間工に応募して落ちたとき以来だ。やっと名古屋

10:31※不細工 何してるの? 不細工なのに独り旅? 不細工だから独り旅?

10:40 イケメソや女性なら独り旅もかっこいいんだろうけど

10:43※イケメソって何? なんか言葉遣いからして不細工だね

10:47 なんとでもいってくれ

10:48※んじゃなんとでも言うよ。なんで友達できないの?

10:50 不細工だから

10:59※どーやったら友達できると思う?

11:00 絶対できない。不細工だから

11:02※いやぁ ほら例えばでいいからさ。考えてみてよ。

11:03 生まれ変わる

11:04※どんな感じで?

11:06 俺じゃなければどんなのでも大丈夫

11:08※答えになってないから却下ね。はい次

11:09 ない、おわり。

11:11※いやいや、あるはずだってー。ま、いいや。じゃなんで旅してんの?

11:14 買い物、通販だと遅いから福井まででてきた

11:15※飽きたからやっぱいいや。お疲れー

11:20 そうやってみんな俺から離れていく

13:09 買い物終了。たったこれだけのために往復2万とか、バカじゃないですよ。店員さん、いい人だった。人間と話すのって、いいね。

19:27 またコンビニか。帰ってくると現実に引き戻される気がして嫌だ。ナイフを5本買ってきました。とりあえず、投げてみよう。こんなもんか

 ■6月7日------------

 8:03 今日は秋葉原、お金をつくりに行く。最低6万円は欲しいな。隣の椅子が開いてるのに座らなかった女の人が、2つ隣が開いたら座った。さすが、嫌われ者の俺だ。そういうことされると、殺したくなる

10:45 秋葉原ついた。買取32000は舐めてるだろ。最低70000だ。定価より高く売れるソフトもあった。さすが秋葉原

13:14 レンタカーに空きがなかった。トラックじゃ仕方ないかも。車が無いとお話にならないんだが、あまり軽いのだと困るし。直接行ってみよう、大きいのが無かったら普通のでいいや。できれば4tが良かったんだけど

15:35 大きい車を借りるにはクレジットカードが要るようです。どうせ俺は社会的信用無しですよ。小さいころから「いい子」を演じさせられてたし、騙すのには慣れてる。悪いね、店員さん。無事借りれた。準備完了だ

19:36 「死ぬ気になればなんでもできるだろ」。死ぬ気にならなくてもなんでもできちゃう人のセリフですね。もっと高揚するかと思ったら、意外に冷静な自分にびっくりしてる。中止はしない、したくない

 ■6月8日------------

 5:21 車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います。みんなさようなら。ねむい

 5:34 頭痛が治らなかった。しかも、予報が雨。最悪

 5:44 途中で捕まるのが一番しょぼいパターンかな

 6:00 俺が騙されてるんじゃない。俺が騙してるのか。いい人を演じるのには慣れてる。みんな簡単に騙される。大人には評判の良い子だった。大人には。友達はできないよね。ほんの数人、こんな俺に長いことつきあってくれてた奴らがいる。全員一斉送信でメールをくれる。そのメンバーの中にまだ入っていることが少し嬉しかった

 6:10 使う予定の道路が封鎖中とか。やっぱり、全てが俺の邪魔をする

 6:31 時間だ。出かけよう。頭痛との闘いになりそうだ

 6:49 雨とも。時間とも

 7:12 一本早い電車に乗れてしまった

 7:24 30分余ってるぜ

 7:30 これは酷い雨。全部完璧に準備したのに。まあいいや。規模が小さくても、雨天決行

 9:41 晴れればいいな。神奈川入って休憩。いまのとこ順調かな

10:53 酷い渋滞。時間までに着くかしら。渋谷ひどい

11:17 こっちは晴れてるね

11:45 秋葉原ついた。今日は歩行者天国の日だよね?

12:10 時間です

毎日新聞 2008年6月15日 東京朝刊


~~~~~~~~(引用終了:Yahoo!ニュース掲載:削除されてます。

http://shuseki-kai.blog.so-net.ne.jp/2008-06-14
毎日新聞。こんな記事かいてごめん。

ここから書き始め。

「日本は、世界有数の安全な法治国家である」

という言葉を腹の底から言える人はもういないのではないか?

0.寄稿連載の動機

あの朝、悪夢で飛び起きた。あまり見ない夢なので1週間たったあとでも
思い出せる。

刺されて死ぬ夢だった。

あの日、しばらくぶりに秋葉原に買い物をしにいく予定だったのだ
しかし、変な夢を見たせいで萎えてしまって、映画を観にいった。

帰ってきて鑑賞記ブログを書き始める。書く前に、Yahoo!映画レビューをチェックする。
Yahoo!映画レビューの直接お気に入りは登録していない。
Yahoo!トップから映画にいく・・・・そして、あの事件の速報がトップ画面に載っていた。
愕然とした。(↓
http://ver-milion.blog.so-net.ne.jp/2008-06-08

私は直感像が働くことがある。それで、その直感を記事にすると
あとでそれが現実になることがある。これは、私の千あまりの記事をつぶさに見ていただくと
実績がわかるだろう。
(↓は直近の一例記事
http://shuseki-kai.blog.so-net.ne.jp/2008-06-13

驚愕すると同時に、わたしはある失望感にかられた。

『なぜ、わたしは秋葉原にいかなかったのだろう?』

何もできなかったかもしれない。
しかし、何かできたかも。。。

それが、この連載を始めた動機である。(すこし、落ち着くためにビールを飲みます。つづく

1.裏ヒーロー/裏ヒロインの世紀

社会が3層化された理由をざっというとこんなことである

20世紀の日本は、『みんなで豊かになりましょう。』がスローガンだったし、それは
ある程度達成できたね。ただし、その結果についてはあまりみんな考えていなかったな

この国は資源がない。人間が資源化すなわち付加価値を高めるほかはなかった。
そして、みんなの値札があがった。すると、相対的にみんなコスト高になり、世界市場に照らしあわせると
競争力を失うこととなった。コスト的に。

ケータイ。車。デジカメ。どんな魔法を血と汗と涙とそして少しの死で作り上げようとも
『安く買い叩かれる』拉致があかない。それで、方針転換だな。

それで・・・あれが今世紀から始まったのだ。

『みんなはやめよう。』政府・企業・黒幕でそれが決定した。

社会を3階層にわけることにした。

すなわち、正規雇用2層・非正規雇用1層。人を分断することにより、結束はさせない。

なぜ?やはり、為政者にとっては団結がいちばんこわい。塊(スクラム)でこられるとイチコロなのさ

それで、個人競争を打ち出したわけ。

だれもが競争相手とした世界では、結束は生まれない。MBAがそのしくみの祖をつくり
アメリカと日本でそれを完成・成熟させた。

その『反応』のひとつがおかしな事件というわけ。だから、日本とアマリ化でしか『事件』は起きない。

事件は、裏ヒーローとそして裏ヒロインを生んだ。日本ではこの事件のほか

・自分の欲望を満たすため、短時間に女性を破砕し、トイレに流してしまう男
・むしゃくしゃして、いろんなことをやってしまう男たち
・暴力に耐えかね、ワインのビンで夫を殺害したあと、証拠隠滅のためバラバラにして遺棄する女
・暴力に耐えかね、拳銃で寝ている夫を銃殺する女

などなど。

ヒロインじゃない?ブログを閲覧すると神格化(カリスマ)してしまっている人を散見できる。(つづく

2.いつから隣人はいなくなってしまったのか?

非常に情けないはなしだが、私は隣人が何者なのかを知らない。

昔はそんなことはなかったと思う。どこに勤めて・学んでいるのか、子供は何人か、性格はどうか、趣味は何かなどを把握していた。そして把握した上で付き合っていたと思う。

職場でも、隣の席にメールを送るなんである。おかしな事態だな。面と向かって目をあわせて話をしなければ通じない話のほうが多いはずなのに。。。

ケータイもそう。ケータイでココロが通じるかバカ。

お互いに会って、笑い・喧嘩し、そして仲直りをしてやって相手の核芯が解かる。そういうものなのだ。
喧嘩もしないで分かり合えるなどアリエナイのだ。

結)リターン・ポイント

いろんなものを置き去りにしている。この世紀は
この先この状態がつづくと、遠からずこの国は滅ぶだろう。それも、かつてない悲惨な状態で。

<わたしの予言を外してください>

起きてしまったことはもう元には戻らない。今から何をしていくかだ。

「孤立する人間をなくすこと」

それが、その一歩となるだろう。
そして、それがあの犯人の共犯者たる我々の、お亡くなりになった方々へのつぐないの全てになるはずだ

(校了。長文を読んで頂き、ありがとうございました。

他の方の本音記事。他にもたくさんあります。

http://d.hatena.ne.jp/takopons/20080617/1213634861

http://clubforstrangers.txt-nifty.com/blog/2008/06/post_1c47.html

http://d.hatena.ne.jp/mini_k/20080617/p1



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http://blog-search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%82%80%E3%81%97%E3%82%83%E3%81%8F%E3%81%97%E3%82%83%E3%81%97%E3%81%A6&ei=UTF-8&fr=moz2&rls=org.mozilla%3Aja-JP%3Aofficial

http://blog-search.yahoo.co.jp/search?p=%E7%A7%8B%E8%91%89%E5%8E%9F%E4%BA%8B%E4%BB%B6&ei=UTF-8

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